取り散らかしておりますが、楽しんでいただければ幸いです。 アニメとか漫画について、だらだらとお話してます。
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何も知らない不自由な鳥(というタイトル)
昔の作品が出てきた。2001年10月発行本から(コピーで80ページくらいの文字本)。
どのジャンルに行っても、何を好きになっても、原点はきっとこのあたり…。
固有名詞が出てこない作品なので(誰が誰だか分からないものの方がいいかなと)
そして多分嫌いじゃない作品なので。
子供は、愛されて大きくなるべきだと、そう、思うのです。
腐女子妄想ですから、苦手な方は先へお進みになりませんよう。
11歳年の差のある2人のお話。
私はラブだと思ってたけど、多分庇護欲、という感じの中でもラブっぽいのを。
(これで…!?)
どのジャンルに行っても、何を好きになっても、原点はきっとこのあたり…。
固有名詞が出てこない作品なので(誰が誰だか分からないものの方がいいかなと)
そして多分嫌いじゃない作品なので。
子供は、愛されて大きくなるべきだと、そう、思うのです。
腐女子妄想ですから、苦手な方は先へお進みになりませんよう。
11歳年の差のある2人のお話。
私はラブだと思ってたけど、多分庇護欲、という感じの中でもラブっぽいのを。
(これで…!?)
何も知らない不自由な鳥
腕の中の存在は緊張のためだけでなく、かたくつよく身を強張らせ。
震えてはいないものの、まるで震えているかのように感じる、その心臓の音までも聞こえてきそうな静かな夜。
聞こえているのは自分の心の音なのか、それとも。
他人に抱きしめられたことのない子供。
記憶がない、という。
存在そのものが信じられないのは、己がいかに幸福な家庭に育ったかを目の前に突きつけられる感がする。
親にさえ?(まさかそんな)
ではどうしてこんなに他人を拒絶するのか。
「……怖いのか?」
ささやくようにそっと頭の上から声をかける。
目を合わせない方が本当のことを話してくれそうな危うさを、痛みとして感じないように。
「こわくなんてないよ」
かすかに震える掠れた声。
そうか、と返すだけのコトバは何の意味も持たない。
むしろ抱きしめる腕の強さで何かを伝えたい。
……伝えたい。
ただこうして立っているだけなのに、おそろしいほどの緊張と絶望と、今にも音を立てて全てが崩れ落ちていくような幻覚。
慣れない感覚は部屋の空気さえも蝕んでゆく。
抵抗するように目を閉じ、ただ温度だけに集中しようとする。
「落ち着かない」
いらついた色を滲ませた声が胸に直接響く。
「どうして、貴方は」
僕をつなぎとめようとする
翼の折れた、声のつぶれた、何もできない鳥を。
手の中であたためていれば、いつの日か空を飛び、美しい声を聴かせてくれるのか。
だが鳥は自分の翼が傷ついていることも、もうずっとコトバを声を音を失ったことなど知りもせずに、空気を吐き出している。
ただ、生きているだけ。
飛べないことも啼けないことも知らない不自由な哀れな鳥。
あたためていれば、いつの日か。
そう信じたくて、想いをこめて抱きしめる。
人の心は身体は一つに溶け合うことはできない。
鳥の心も。
ああそれでも、愛おしいと思う気持ちだけは、言葉でなく伝わって欲しい。
温度で強さで吐息で。
言葉にならないほどの強さで。
声の出ない鳥はひっそりと溜息をつく。
腕の中でかたく身を強張らせたまま。
顎を持ち上げて風が触れるように重ねた唇にも呪いのように想いを込める。
届け、と。
腕の中の存在は緊張のためだけでなく、かたくつよく身を強張らせ。
震えてはいないものの、まるで震えているかのように感じる、その心臓の音までも聞こえてきそうな静かな夜。
聞こえているのは自分の心の音なのか、それとも。
他人に抱きしめられたことのない子供。
記憶がない、という。
存在そのものが信じられないのは、己がいかに幸福な家庭に育ったかを目の前に突きつけられる感がする。
親にさえ?(まさかそんな)
ではどうしてこんなに他人を拒絶するのか。
「……怖いのか?」
ささやくようにそっと頭の上から声をかける。
目を合わせない方が本当のことを話してくれそうな危うさを、痛みとして感じないように。
「こわくなんてないよ」
かすかに震える掠れた声。
そうか、と返すだけのコトバは何の意味も持たない。
むしろ抱きしめる腕の強さで何かを伝えたい。
……伝えたい。
ただこうして立っているだけなのに、おそろしいほどの緊張と絶望と、今にも音を立てて全てが崩れ落ちていくような幻覚。
慣れない感覚は部屋の空気さえも蝕んでゆく。
抵抗するように目を閉じ、ただ温度だけに集中しようとする。
「落ち着かない」
いらついた色を滲ませた声が胸に直接響く。
「どうして、貴方は」
翼の折れた、声のつぶれた、何もできない鳥を。
手の中であたためていれば、いつの日か空を飛び、美しい声を聴かせてくれるのか。
だが鳥は自分の翼が傷ついていることも、もうずっとコトバを声を音を失ったことなど知りもせずに、空気を吐き出している。
ただ、生きているだけ。
飛べないことも啼けないことも知らない不自由な哀れな鳥。
あたためていれば、いつの日か。
そう信じたくて、想いをこめて抱きしめる。
人の心は身体は一つに溶け合うことはできない。
鳥の心も。
ああそれでも、愛おしいと思う気持ちだけは、言葉でなく伝わって欲しい。
温度で強さで吐息で。
言葉にならないほどの強さで。
声の出ない鳥はひっそりと溜息をつく。
腕の中でかたく身を強張らせたまま。
顎を持ち上げて風が触れるように重ねた唇にも呪いのように想いを込める。
届け、と。
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